いいじゃないですか〜

「この日だけは、じ〜っと静かにしているんだよ」

もう四半世紀前の話になりますが、日本とグアムを行き来させていただき始めた頃、グアムに長い日本人の方からそんなアドバイスをいただき、

「ですよね」

と、その言葉を盲信していました。当時、プロジェクトのことで頭がいっぱいだった僕は、特に何も深く考えず、「あぁまぁそうですよね」と、そのことに低関心だったのです。

とはいえ、今でも9割がたそう思っています(みなさんはいかがですか?)。

明後日の金曜日、コロナの影響で3年振りにイパオビーチパークで開催されるフェスティバルは、今までとはどうもなにか違うみたいなんです。

グアム政府観光局のプレスリリースによると、

グアム政府観光局と『HYPEBEAST』のコラボ第二弾!モデル・インフルエンサーのYAMATOさんと最新のグアム情報をお届け

〜SNS総フォロワー合計900万人超のインフルエンサーがグアムに来島〜

グアム政府観光局は、ファッションとストリートを中心としたデジタルグローバルメディアHYPEBEASTとのコラボ第二弾として、SNS総合フォロワー数200万人を超える、モデル・インフルエンサーのYAMATOさんと最新のグアム情報をお届けいたします。

2022年7月21日(木)に、グアムで開催される平和の祭典「リバレーションデイ」において、島の中心に位置するイパオ公園にてイベントが開催されます。このイベントでスペシャルゲストDJとしてYAMATOさん、そして700万人を超えるSNS総合フォロワー数700万人を持つ大平修造さんが登場し、イベントを盛り上げます。

なのだそうです(確認したところ、実際には22日の21:00から、約10分間のパフォーマンスになる模様)。

もしも4月30日に、ゲストにBTSがホーチミンに来て歌ったら、どんな感じになるだろう? って思ってしまいました。

「どうしてわざわざこの日にやるのよ? インフルエンサーのパフォーマンスはウェルカムだけど、今日じゃなくてもよくない?」

こんな風に思ってしまうことは、恥ずべきことなのでしょうか。

頭が古いのでしょうか?

LGBTQIA+&LOHASじゃないのでしょうか?

こんな風に思ってしまう自分は、愚か者なのでしょうか。

時代はもうすでに、「そういうことを言っていたら、Takaさん、いつまでたっても先に進めないよ」っていう感じなの?

それとも「それはそれこれはこれとして分けて考えられるくらい平和になった」ということなの?

だから一緒に歌おうよ、踊ろうよ、ってことなの?

だとしたら、自分が時代から完全に置いてけぼりを食らった気分です。

そこまで達観した大人になりたかったです。

それとも、、、例えば、僕が子供の頃、学校で誰かが言っていた1931年の満州事変を、

「へぇ〜50年も前の話〜」

って他人事として何も感じなかったように、1944年に旧日本軍からアメリカ領に取り戻されたグアムの解放記念日を、

「へぇ〜80年も前の話〜」

って他人事としてしまうグアムの人が増えてきたってことなのでしょうか(まさか日本人観光客にグアムに来てほしいからとか、じゃないですよね)?

他人事の記憶は、時間と共にどんどん薄まっていくものなのでしょう。薄まるどころか、他人事などほとんどの人の記憶には残らないですもんね。

それも生きる力ですが、自分のこととして(平和を)考える人もいるはず。

イパオビーチパークなら歩いて行ける距離だし、わざわざ日本から来てくれるYAMATO君と修造君のパフォーマンスはとっても気になりますが、残念ですが応援には行く調子良さは持ち合わせていません。

祈るくらいしかできませんが、明日明後日、普段通り、僕はじっとしているつもりです。


イヤ、やっぱり行こうかな〜

ここまで書いて、2時間寝かせて今読み直したら、やるやらない、行く行かないは関係ないと思うようになっていました。他人事の記憶が時間と共に薄まると書きましたが、自分事の記憶だって時間と共に十分薄まります。

薄まる記憶もあれば、いつまで経っても根にもつ類いの記憶、いつの間にか美しくなっていた記憶、ある時、急に腑に落ちた記憶、誰かの一言でいきなり180度見方が変わってしまった記憶、、、

その時に起きたことは、あなたにとって必ずしもその後もそのままだとは限らないということです(歴史を捻じ曲げるとか、そういうことではありませんからね(笑))。サイゴン陥落の50年後に、ホーチミンシティーでBTSがパフォーマンス、いいじゃないですか〜(え、先月から活動休止?!)

逆に、いつまでも過去の記憶を強く持ち過ぎていると、目の前で起こる新しいことが、新たな発見や体験として自分に入ってこなくなることにもなりかねません。それって今を生きていませんよね?

その時その時、目の前で起きていることを通して、今、自分が何を体験しているのか、何を感じているのか、そこからの学びは、気づきは、、、今にフォーカスして、自分に正直に、素直に向き合うことが、結果として自分を幸せにし、誰かを幸せにし、みんなが幸せになっていけばいいじゃないですか〜と、あらためて思いました。

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