日本政府によるレジ袋の有料化が7月1日に義務化されて、まもなく2カ月になりますね。皆さんは、マイバッグでお買い物をしていますか?
僕はたまたま2012年の7月に引っ越した先のシアトルで、その月の初めからグロッサリーストアなどでのレジ袋が廃止されたため、キャッシャーで紙袋を5セントで買うかマイバッグ持参で行くかしかなくなり、手で持てるだけしか買わないようにしていました。
Plastic Bag Ban – Council | seattle.gov
紙袋って、冷たい牛乳パックとか入れると、みずけ(水気)で簡単に破れてしまい使いものになりません。しばらくしてL.L.Beanのトートバッグを手に入れました。大きくて丈夫で使いやすいので気に入ってはいますが、クルマで買いに行けるから使っているようなものです。
今、日本に滞在中ですが、買い物用のバッグのポケットに、1枚5円で買ったレジ袋2枚を折りたたんで入れて、袋が足りなくなった時の予備として使っています。もう20回くらい使ったかも。まだまだ全然使えます。
日本のレジ袋は、有料化が義務づけられただけで、まだ廃止されたわけではありません。アメリカ国内では、一旦廃止したものの、それに代わる袋を作るのにコストがかかったりしたせいで、最近、再びレジ袋が使われることになった州もあるようです(カリフォルニア州とか)。
レジ袋って、すごく便利ですよね? なんとか今まで通り利用できないものかなぁ〜と考えていたのですが、レジ袋、もしも必ずしも利用者が負担(購入)しなくても良いのだとしたら、、、
レジ袋に広告を載せて、
無料にすれば良いと思います。
レジ袋(+α)代を広告主が負担して、不便だと思う人に無料で使ってもらえば、店も客も喜ぶと思います。
広告付きのレジ袋を利用すると割り引きクーポンがもらえるようにしたら、もっといいかもしれません。
広告主にきちんとリターンがあるように工夫すれば可能なはず。
例えば、、、
オムニチャネル化が図られている企業なら、実店舗でのレジ袋に、オンラインサイトの広告を載せるとか。
ちょっとアイロニカルだけど、近所のスーパーマーケットのレジ袋に、アマゾンの特典QRコードが載っているとか。
レジ袋は有料化されたのに、オンラインショッピングでの段ボール箱やビニール袋、エアー緩衝材が有料にならないのはどうしてだろう?
なんかヘンだとは思わないのかな〜
お互い都合の良いところだけ黙殺(思考停止)している感じがするんですけど、、、
有料にすることで、レジ袋の過剰な使用を抑制し、レジ袋のごみの削減につなげようというコンセプトはイメージできるけど、それを日本国内で実施して、はたしてどれだけレジ袋のゴミの削減につながるのかがピンとこないんです。
海に流されるプラスチック微粒子を減らすためにレジ袋を有料にするのであれば、海洋生分解性プラスチックの配合率が100パーセントのレジ袋に広告を載せて、無料で提供できるしくみをつくれば面白いと思います。
お店は、政府のレジ袋有料化で、客が払ってくれて負担が減ってラッキーって思っているのでは?
レジ袋が有料になって、生成食料品などを入れる透明のビニール袋の減り方が3倍になったって、テレビのニュースでスーパーの店主がインタビューに答えていました。それが本当だとしたら、環境保護のための政策としては、レジ袋の有料化という策は、中途半端でイマイチなのではないかと、、、
ちょっと調べてみたんですけど、実際には、無料で提供できるレジ袋の規定があるのですね。
厚さが0.05mm以上の(再利用可能な)プラスチック袋とか、バイオマス素材の配合率が25パーセント以上のレジ袋だと無料提供OK。あ、あと、上に書いた、海洋生分解性プラスチックの配合率が100パーセントのレジ袋も無料提供OK。
今のコンディションで有料化して、日本人が出すプラスチックゴミの何パーセントくらいが削減できるのだろう? 全体の1パーセントとか? 0.5パーセントとか?
それでも削減できるから良しとして、本当に環境のためにと言うのなら、海洋生分解性プラスチックの配合率100パーセントのレジ袋を「有料」で提供して、他のレジ袋は一切使わない(提供しない)のがベストなのではないかな〜って思います。
有料といっても、100:0で客が負担する有料もあれば、たとえば40:60で客と店(または広告主など)がそれぞれ負担する有料もアリかなと。
とはいえ、いろいろそれぞれ都合もあるでしょうから、プラスチックゴミ削減のために、環境にやさしいレジ袋の代金を、広告などで付加価値を付けて、負担する人や企業の経済が回るきっかけにするというのはどうだろうと、ひとつのアイデアとしてメモ(シェア)しておこうと思った次第です。
広告じゃなくても構いません。海洋生分解性プラスチックの配合率が100パーセントのレジ袋が、通常のポリ袋よりもコストがかかるのは容易に想像できます。でも自然に戻るレジ袋だったら、それをお金を払ってでも利用したくなるようにしても良いと思います。
人気のイラストレータのイラストが入っているとか、お気に入りのキャラクターが描かれているとか、かわいいパターンのデザインがプリントされているとか、そういうレジ袋なら、使った後も、折りたたんで数回使いたくなるかもしれません。
マイバッグがエコだという人もいますが、僕は全然そうは思っていません。あれは使う人の自己満足で、エゴバッグだと思っています。僕もマイバッグ派ですが、エコのためにそうしているのではなく、マイバッグで買い物をする方が好きだからそうしているだけです。マイバッグを使い倒してイザ捨てる時に、もしもそれが自然に戻らないような素材で作られているとしたら、そんなバッグのどこがエコなんだろうと思ってしまいます。
一般にレジ袋と呼ばれているのはポリ袋のことで、ポリ袋のポリとは「ポリエチレン」のことです。
ポリ袋を作っている会社の説明だと、ポリ袋って、実はエコなのだそうです。
- ポリエチレンは、石油をガソリンや重油などに精製した時に発生する余り物で、これを有効活用したのがポリ袋。
- ポリエチレンからは、ダイオキシンなどの有害物質は発生しない。
- ポリ袋はとても薄いので、資源使用量が少量で済む。
- ポリ袋は、目に見えるゴミの1%未満、自治体のゴミのわずか0.4%。
- その都度使用するポリ袋は、繰り返し使用するエコバッグよりも衛生的。
- ポリ袋は、レジ袋と使用したあとにゴミ袋として利用できるなど、リユース率が高い。
- 自治体によってはサーマルリサイクルし、ごみ焼却燃料になり、重油燃料の使用量がその分減少し、無駄とならない。総二酸化炭素排出量は、サーマルリサイクルしても、そうしない場合と大差ない。
- ポリ袋は紙袋の70%のエネルギーで製造可能。
- ポリ袋の輸送に必要なトラックの量は、紙袋の1/7。
- ポリ袋の製造に必要な水の量は、紙袋の1/25。
- ポリ袋は紙袋に比べ、ゴミにしてもかさばらない。
- 紙袋は再生できる物と再生できない物がある。ラミネート加工されている物や紐の種類によっては再生処理できない。
- 紙袋は間伐材とはいえ森林資源を利用。
日本人が出す海洋ゴミのうち、プラスチックゴミを100とすると、ポリ袋のゴミは0.4だそうです。具体的には、年間60,000トンのプラスチックゴミに対して、ポリ袋のゴミは240トン。
2016年に開催された環境イベントで発表された、海洋漂着ごみのモニタリング調査結果によると、プラスチック類の漂着ゴミの割合は、容積で比べると以下の通りです。
漁網やロープ:26.2%
発泡スチロールブイ:14.9%
飲料用のペットボトル:12.7%
ブイ:8.9%
その他のプラボトル類:6.5%
その他の漁具:2.6%
調味料の容器やトレイ、カップといった容器類:0.5%
ストローやフォーク、スプーンやナイフ、マドラーといったカトラリー:0.5%
そして
ポリ袋:0.3%
でした。